現場エピソードY じゅんたん なになに教えて!【精神 復職 管理ノウハウ 1】

障害者雇用

社員Yは転職をして5年経過するが、その内後半の3年は傷病欠勤を繰り返しており業務提供が出来ない状況となり、会社から休職発令がなされた。この傷病欠勤時は医師の診断書を提出する事で給料を貰いながら、有給休暇とは別に休みを許される制度。中には、その制度を悪用して継続的に傷病欠勤を繰り返す者もおり、会社側も社内規定で休職発令を規定して運用を行なっている。休職は解雇迄の期間を猶予する制度で、もちろん給料は発生しないが健保組合等からの傷病手当金を申請する事で、7割程度の手当金を受け取る事が出来る。

社員Yの障害特性は精神障がい手帳2級取得者で鬱病を、発症して大手損保会社を10年システムエンジニアとして勤務していたが、過度な残業により体調を崩して転職した経緯あり。この大手損保会社でも傷病欠勤を繰り返しており休職に追い込まれての転職となったが、ここでは一般枠での雇用であった。その後に、じゅんたんが勤務している障がい者雇用会社に転職して来たが、本人も過去の経験から傷病欠勤制度を理解しており、その甘い汁を吸いながら勤務して来たが、待ったなしの状況に追い込まれた。

休職発令されると、復職の規定が明確では無い。なぜなら解雇迄の猶予期間である為に復職を前提としていない為に、療養を勧めるに留まるのが一般的である。本人と面談を重ねて転職を勧めるも年齢的にも、障がい者特性的にも、今以上の条件の良い会社は無いとの本人の希望を聞くが、本気度を時間を掛けて確認をする。

⭐️じゅんたんが休職中に指示した事は4項目

①傷病手当金の申請、

②休職に至った要因分析、

③復職に向けたリワークプログラムを支援機関を通じて外部で受講、

④主治医との面談に会社の上司も同席して状況確認

を条件として一緒に取組む事を決める。期間は定めないが、1年が限界と思われ1年以内とした。

⭐️じゅんたんが、休職中に指示した事項の進捗状況

①傷病手当金は会社から休職証明を受入れて健保組合に提出し後払い的に毎月申請を確認。家族の為にも申請を行いながら7割程度の手当金を受け取るが、別途障がい年金も受給しているので調整がかかった。

②休職に至った原因を冷静に分析させると、職場ではなく、家庭にある事が判明。奥様が精神障がい者手帳1級の障がいが有り、本人が奥様をサポートを行っており休まる時間、場所が無く、職場を療養施設的な位置付けで過ごしていた。支援機関から担当者として中に入ってもらい、定例的なアドバイスを受けて、家庭内の役割分担の見直しと奥様の自立の促進、解雇される状況を奥様とも共有。奥様と距離を置く為に、週1日実家に帰省して自分時間を確保する事を決めて行動した。

③支援機関にセット頂きリワークプログラムを就労センターにて受講させ、臨床心理士との定期的な面談を行い、その結果を臨床心理士と会社で情報共有する事を本人の了解を得て行う。当初本人はリワークプログラムを馬鹿にしていたが、規則正しい生活と用意されたプログラムを前に、全く準備ができていない事に気がつく。

④主治医と会社の人間が定期的に面談を行い復職のタイミングを体調面からアドバイスを頂いたが、幸いにも厳しい先生であった事で、本人も甘えが無くなった。また、奥様の主治医でも有り両面からの助言を頂き対策を検討する事が出来た。

⭐️じゅんたんのこれからの対応

リワークプログラムの進捗状況を毎月報告させて出欠状況や取り組んだ内容から得た気づきを記録化させ復職するんだとの強い意識を持続させた。8ヶ月経過してリワークプログラムの卒業とメンタル的にも回復しており、主治医からこのタイミングでで復職が出来なかったら会社勤めは無理であるとの助言も有り休職から復職する事を社内の役員に説明して承認頂き、産業医面談も終え無事に復職となる。しかし、ここからが本番で有り復職条件がクリアー出来なければ解雇に向けた休職発令がなされてします。(1年間有給を使いながらでも、欠勤が無ければクリアーされる)

⭐️じゅんたんから企業へのアドバイス

復職時の条件を本人に告げて経過報告はしますが、障がい者を雇用しようとしている企業は経験豊富なスタッフを配置させなければ、障害者雇用は絶対に成功しない。安易な雇用率達成を考える前に、十分なスタッフを確保した体制整備を考える事が、安定した障害者雇用が可能となり障害者雇用率達成に繋がります。常用労働者100人を超える企業からは『障がい者雇用納付金』が徴収される。不足1人あたり月額五万円となる為に、外部に委託する事で安定的な運営が可能となる。企業担当者は検討の余地があると思いますよ。


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